曇りガラスの向こう側へ

正統派のフリーランス心理カウンセラーです

(陽性)転移 と逆転移


ある音楽家が引退するという話題が不倫騒動の憶測と相まって、人々の関心を買っています。

ハフィントンポストのニュースで、臨床心理士が興味深い分析をしていました。

その分析に一部はなるほどなと思う一方で、またしても心の専門家が顔と名前を出して持論を展開することへの危惧を感じています。



こういったニュースは、マスメディアが分析を求めているのか、それとも専門家がそれを求めているのかは分かりませんが、話題の人の心のうちは晴れようがないのに、当事者のそれをああだこうだと外から見た様子や発言を辿って分析をして、そしてそれをニュース解説のように出して、一体誰が納得するのでしょう。臨床心理士とはいえ、その音楽家が分析を希望したものでなければ失礼な話です。私はそう思います。



心の専門家であればこそ、ニュースの話題としてそれを分析し発表するのは如何なものかと思います。

ハフィントンポストのその記事にはまた、以下のように(ママ)締められていました。



ーーー以下引用ーーー


【記事中略】…(ママ)一方で、話の聞き手となったとされる看護師の対応を指摘。「プロとして対応してほしかった。相手の心が弱っている時に相談や治療行為を行うと、相手から好意を持たれやすいもの。看護師やカウンセラーなどは特にそういうことが起きやすいもの。だからそこは看護師の方が一線を引いて対応しなければならなかった」と苦言を呈した。


ーーー引用ここまでーー


これは、心理学でいう陽性転移や逆転移のことを指しているのですが(転移や逆転移という意味は、「癌」のことではありません。治療者と来談者の間に抱くある種の感情のことを指します)、2人の間にそういうことが起きていたのかどうかは誰にもわからないこと。解らないことを解ったように分析し、それを文字化したものを大衆に載せるということがまた罪深いと思います。

心理学と看護学は学ぶことが違いますし、看護師が心理学に長けているとはいえません。

カウンセラーが一線引かないといけないことは、転移については当然ながらそうですが、看護師は心理学でいう転移や逆転移についての知識や対応は、学びの範疇にはないので、経験上無理からぬことです。無理からぬ事を「ねばならない」とくくって苦言を呈する行為そのものは、私から見れば、その臨床心理士の言葉の暴力です。

そっと個人間で持論を出し合うのならまだしも、ニュースとして発表することに同意をするその臨床心理士の胸の内が私には理解できません。

臨床心理士もそうですが、記事にした記者も寛容さに欠ける行為ではなかったかと思います。



心の専門家が人を守らなくてどうするのでしょうね。特に、転移逆転移は想像だけで公表することではない筈なので、とても残念に思います。

腹を立てすぎましたか?

私は別にその音楽家のフアンでもなんでもありませんよ。

ですが、世の中の不寛容さに少しだけですが憤りを感じています。





それではまた


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